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感覚過敏・感覚鈍麻や運動の困りごとは、お子さんの日常生活に大きく影響します。感覚の特性を理解し、環境調整と適切な運動支援で、お子さんが快適に過ごせるようサポートしていきましょう。
よくある感覚・運動の困りごと
感覚過敏
- 大きな音を嫌がる、手で耳を塞ぐ
- 特定の食感の食べ物を食べられない
- 洋服のタグや縫い目を嫌がる
- 明るい光やちらつく光を避ける
感覚鈍麻
- 痛みに気づかない
- 暑さ寒さを感じにくい
- 強い刺激を求める(ぶつかる、叩くなど)
- 物の位置や距離感がつかめない
運動の困りごと
- バランスを取るのが苦手
- 細かい手の動作が困難
- 運動が苦手、避けたがる
- 力の調整ができない
感覚別支援アプローチ
👂 聴覚(音の感覚)
過敏な場合:
- イヤーマフやノイズキャンセリングヘッドホンの使用
- 静かな環境の提供、音量調整
- 予告:「今から大きな音がするよ」
- 好きな音楽で段階的に慣らす
鈍麻な場合:
- 視覚的な合図と併用
- 近くから声をかける
- 音楽やリズムを活用した活動
👁️ 視覚(光・色の感覚)
過敏な場合:
- サングラスや帽子の活用
- 照明の調整(間接照明、調光)
- 落ち着いた色合いの環境
- 眩しさを避ける座席配置
鈍麻な場合:
- コントラストをはっきりさせる
- 色分けや視覚的な目印を増やす
- 明るい照明の確保
✋ 触覚(触る感覚)
過敏な場合:
- タグレス衣類、柔らかい素材の選択
- 段階的な慣らし(軽いタッチから)
- 予告してから触れる
- 手袋や道具を使った間接的な接触
鈍麻な場合:
- しっかりとした圧迫刺激
- 様々な質感の物に触れる機会
- マッサージやブラッシング
🤸♀️ 運動支援の具体的方法
🤹♂️ 粗大運動(大きな動き)
- トランポリン:バランス感覚と体幹を鍛える
- バランスボール:楽しみながら姿勢保持
- スクーターボード:腹ばいで進む全身運動
- ぶら下がり:鉄棒や吊り輪で上肢筋力向上
微細運動(細かい動き)
- 粘土遊び:指先の力と器用さを育てる
- ビーズ通し:集中力と指先の協調性
- はさみ練習:段階的に切る技術を習得
- お箸練習:日常生活に直結した技能
⚖️ 体幹・バランス
- 一本橋歩き:バランス感覚の向上
- 動物歩き:クマ歩き、カニ歩きなど
- ボール遊び:投げる、蹴る、キャッチ
- ダンス・リズム体操:楽しく全身運動
家庭でできる感覚統合活動
日常生活に取り入れられる活動
- お手伝い活動:洗濯物干し、食器拭き、掃除など
- 感覚遊び:水遊び、砂遊び、粘土、スライムなど
- 深部感覚刺激:重いものを運ぶ、押す、引っ張る
- 前庭覚刺激:ブランコ、滑り台、回転遊具
- リラックス活動:マッサージ、ストレッチ、深呼吸
注意すべきポイント
- 無理強いは逆効果:お子さんのペースを尊重
- 安全第一:運動や感覚活動では怪我に注意
- 個人差を理解:同じ診断でも感覚特性は様々
- 過度な刺激は避ける:適度な刺激量を見極める
- 疲労に注意:感覚処理は体力を消耗する
専門的な支援について
以下のような場合は、作業療法士や理学療法士にご相談ください:
- 日常生活に大きな支障をきたしている
- 自傷行為や激しいパニックがある
- 運動発達に明らかな遅れがある
- 家庭や学校での工夫だけでは改善しない
- 専門的な評価や訓練が必要と思われる
5種類の困りごと別支援情報をご用意しています